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獨行道

2009 年 6 月 19 日

自分自心を見失ったら、たちまちタイクツしてしまう。

タイクツは「退いて屈する」と書く。なにもかもどうでもよくなってしまう病氣だ。

いまいましくのびかけた頭髪を剃って、法衣に着替えて、いつもの場所に出かけて行った。



誰もいない展示室で、中川一政の「灯台」をみた。

通路に、

私は、よく生きた者が、よく死ぬことが出来るのだと思っている。
それはよく働くものが、よく眠ると同じ事で、そこになんの理屈も神秘もない。
私は昔、アトリエの壁に「ひねもす走りおおせたる者、夜のやすきにつくこそよけれ」と書いていた。賢者セネカの言葉である。
私は毎日のはげみに書いていたのだが、今は一生のはげみでもある。
さはいえ、人間に完成というものはないようだ。仕事に完成というものはないようだ。
一つ山を登れば、彼方にまた大きな山が控えている。
それをまた登ろうとする。力つきるまで。

「腹の虫」「画の道四」

と、彼のことばが貼ってあった。

もう一度、防波堤の赤い灯台の前にたたずんで、

一つ、二つ、三つ、四つ、五つ… 

潮風の深呼吸。

中川一政 書「獨行道」

中川一政 書「獨行道」



また、この道を一人行こう。

 
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  1. ジュン
    2009 年 6 月 19 日 18:29 | #1

    ありがたいお言葉をありがとうございました。
    もう少しで自分に退屈するところでした・・・見失うところでした・・・
    今日、拝見出来てよかったぁ?中川先生のおっしゃる通りでした!!
    「仕事に完成はない・・」ありがとうございます。

  2. KK
    2009 年 6 月 20 日 13:10 | #2

    いつも、楽しみに拝見しています。
    私も中川一政記念美術館に何回かいっています。4月にも行って来ましたが段々と気持ち良い空間になって行きます。
    今の私にピッタリのメッセージありがとうございました。
    手がけている事を横目にしながら、もったいない時間を過ごしていました。
    感謝です。

  3. 2009 年 6 月 22 日 07:33 | #3

    同行二人、わたしも一緒に連れてって!

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