杓
2009 年 6 月 17 日
護摩供の大切なツールの一つに「杓=しゃく」があります。
杓には、大杓(「注杓」=ちゅうしゃく)と(「写杓」=しゃしゃく)との二種類があります。大杓は供物を酌んで護摩壇の炉の中に注ぎ入れるので「注杓」と名づけ、小杓は供物を炉中または大杓に写し入れるので「写杓」と名づけられています。どちらも木製の柄が取り付けられています。
小杓は丸くて、大杓は吉祥子(ザクロ)を開いた形につくられています。この二つを巧みに用いて、護摩壇の炉で燃える炎に油を注ぎます。よく見ると杓の内側に、なにやら象徴的な模様が刻まれています。
弘法大師の『護摩鈔』によると
小杓底有輪形是大日三昧耶形也、大杓底有三股金剛是金剛サッタ三昧耶形也。
とあり、小杓の底には輪宝を刻み大日如来をあらわし、大杓には三鈷杵を刻み金剛サッタをあらわしています。
小杓に油をくんで大杓に入れるという蘇油の所作は、それがそのまま、大日如来の教示をこうむり、金剛サッタが護摩法を修習する姿をあらわしています。
心佛衆生三平等の菩提心を標幟する金剛サッタの大杓に、遮那の教勅を示す小杓でもって油を注ぎ入れ、護摩の事業を行じていくのです。




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