白螺貝
2009 年 7 月 9 日
密教法具は、数々あれど…
近年、お大師さんの御請来品の一つではないかしら? と話題になったものに、白いホラ貝があります。
「弘法大師請来目録」の「白螺貝一口」にあたると考えられています。さすれば、お大師さんの師、恵果和尚は、日本の若い留学僧(空海さん)に、そのまた師から受け継いだインド渡来の聖貝(商佉)を授けたことになります。現在、それが東寺に伝えられています。
東寺に伝存するシャンク貝は、密教の流伝とともに、インドから中国長安にもたらされ、さらに日本へと旅をしてきたのです。
この貝は「shanku(シャンク)」と呼ばれ、インド西岸やスリランカにしか生息していないそうです。
密教法具の一つとして、現在も大切に用いられています。
さて、このシャンク貝ですが、たまたま御縁あって小生も所持しています。貝の先っぽを吹けば、「プ、プウウー」という威勢の良い音がします。どうがんばっても、一つ、二つくらいしか音が出せませんが…
ところが、どっこい、世の中は広い。
南インドのタミナードゥ州中部ティルヴァールールのTyagaraja(ティヤーガラージャ)寺院には、シャンク貝で旋律を演奏する僧侶?がいるそうです。それはT.S.Mahalinga Gurukkal(マハーリンガ・グルッカル)さん、その人です。
ヒンドゥー教の宗教儀礼の節目の際、他の楽器と共に鳴らされる程度だったものが、彼の手にかかると、ラッパのように自由自在に演奏してしまいます。シャンク貝には旋律を奏でるための指穴がついていないにもかかわらず‥
私の友人(修験者)に、ホラ貝をじょうずに吹き鳴らす行者がいますが、その音色とも異なります。もちろん、貝そのものが違います。昨今の行者が吹く貝は、もっと大きくてコツゴツした茶色い貝です。30センチくらいあるでしょうか。シャンク貝はもっと小さく白く、明らかに別物です。
で、ここで、マハーリンガ・グルッカルさんが奏でるシャンク貝のメロディーは、どこか哀愁を帯び、いつかどこかで聞いた記憶があるラッパのようです。『天空の城ラピュタ』で、スラッグ渓谷の銀鉱山で働く少年パズーが夜明けに吹くラッパの音色のような、はたまた、いつかどこかで聞いた「兵隊サンハ、カワイソネー。マタ寝テ泣クンダネー」(これって、就寝ラッパでしたっけ?)ような..
Temple Music & Shanku of Tamil Nadu (南インドの法螺貝と寺院音楽)
ともあれ、興味のある方は一度ご試聴あれ。 ↑ 1曲から5曲までが、シャンク貝の独奏です。
あゝ密教、おそるべし。すべてはここにたどり着く。
南無大師遍照金剛





たしかに音はラッパだわ!
お大師さまもこのような旋律でシャンク貝を吹き鳴らしていたんですね。目にうかぶようです。。。