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光の道筋

2011 年 1 月 13 日

護摩の油煙で真っ黒になって、縒りが解け始めた 「壇線 」 をリニューアルしました。

「壇線」 とは、護摩壇の四隅に立つ四ケツと、「鳥居」と称する門柱にまとい巡らし、壇地の境界を限定し結界する「金剛線」です。五色の糸をよりあわせたもので、五仏五智をあらわします。これに三種類あって、金剛界の糸は白・青・黄・赤・黒の順によりあわせ、胎蔵 の糸は白・赤・黄・青・黒の順に次第し、不二の糸は白・黄・赤・青・黒の順となっています。いずれにせよ、金剛界、胎蔵、不二ともに白が第一で黒が最後です。

不二の糸 胎蔵の糸 金剛界の糸
壇線の引き方には種々異説があるようですが、諸流とも道場の方角に関せず、艮(うしとら)の角から引き初め、次第に四方に引き回して、また艮の角に至って巻き納めます。

壇線に金剛界・胎蔵・不二とあるように、その引き様にも三つあるようです。
金剛界 四ケツに巻くとき、上へ巻く。
胎 蔵 上より下に巻く。
不 二 巽(タツミ)のケツを上転〈金剛界〉に、坤(ヒツジサル)を下転〈胎蔵〉に、
乾(イヌイ)を上転〈金剛界〉に、艮(ウシトラ)を下転〈胎蔵〉に引きます。「甲金乙胎」。
当山の護摩壇は、先例どおり胎蔵の糸 (胎線) を調達し、不二の引き様で引き回しました。

そもそも、マンダラには五色の線が描かれています。

『 現図 (元禄本)』 胎蔵マンダラ中台八葉院では、それを「五色界道」といい、内から外に向かって白・黄・赤・青・黒の順に描かれています。金剛界マンダラ一印会のそれらは、内から外に向かって白・ 黄・青・赤・黒の順となっています。あたかも太陽の光がプリズムを透すときのように色分解され、五仏の徳がマンダラの四方に広がっていく様子を 象徴的に示しているかのようです。

まさに壇線は、マンダラの五色界道。光の道筋です。

現図両界曼荼羅(乙本)金剛界一印会

現図両界曼荼羅(乙本)金剛界一印会



ところが、どっこい。

彩色が明瞭に残る『現図』(乙本) を見ると、胎蔵の五色界道は元禄本と同じでも、金剛界のそれは異なっています。内から外に向かって黄・白・黒・緑・赤の順になっているようです。そういえば、破損著しい『現図(甲本)』も、乙本と同じかも.. 高野の『血曼荼羅』は、どうなんだ?

たかが、壇線。されど、壇線。で、本当はどうなん???

壇線

壇線 ( 胎蔵の糸 )



事相の口伝が伝わっても、その大本のマンダラと符合しないとなると、なにがなんだかわからなくなってきます。折を見て調べてみたいと思います。

毎日、護摩を焚いていると、真新しい壇線(↑右)も、すぐに黒くなってしまいます。(↑左) 色の配列..?  ま、ええか。  ;-)
とにもかくにも、密教は壮大です。しっかり研鑽を重ね、大日如来の徳が壇線 (五色界道) を超え、どのように展開していくのか、その 「 光の道筋 」 をとくと観察したいと思います。今は、ただ、実修あるのみ。今年もがんばります。

 
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