あの日から半年
2011 年 9 月 15 日
声
あの日から半年
津波で甚大な被害にあった宮城県南三陸町で、全国から集まる高野山真言宗の僧侶や看護師らとアロマセラピーを取り入れた足湯に取り組んでいます。
4月、避難所で足湯をすると、津波で夫を亡くした女性から「あなたに使ってほしい」と形見のサングラスを手渡されました。涙が止まらず、このまちに寄り添い続ける覚悟を決めました。
「帰るとこがあってええな」― 。足湯を始めるきっかけになった07年3月の能登で、活動を終えて帰ろうとする私に向け、仮設住宅の子供が漏らした言葉です。住居や仕事、家族など生活の屋根を奪われた被災地では安心して暮らせません。たとえ、一時であっても、足湯でほっとできる居場所になってほしい。
震災から半年。同町でもほとんどの避難所が閉鎖され、多くの被災者が仮設住宅での生活をスタートさせています。「地域」が無くなり、隣近所の付き合いも失われた中で孤立をどう防ぐか。被害の規模は違っても、生かすべき能登の経験は多いはず。
再び「まち」を取り戻すまで、長い時間がかかるでしょう。ただし、主役はあくまでも住民であり、私は被災者とつかず離れずの距離感を保ちたい。「もう、来なくても大丈夫」と言ってもらえる日まで、支え続けたいと思っています。
【構成・宮島梓帆】
(2011年9月11日・毎日新聞)



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